600㎞ブルベ走ってみた(BRM323高松600㎞)
- 代表
- 2019年3月25日
- 読了時間: 9分
おはこんばんにちは。いつの間にやら代表になっていた中村です。 気が付けば2019年も4分の1ほど経過してしまいました。もうすぐ新元号になるということで気持ちを新たに新年度を迎えたいですね。
さてさて、皆さんブルベをご存じでしょうか。 ブルベとはフランス語で「認定」という意味らしく(参照:Wikipedia)、決められたルートを制限時間内に走り切ると認定され、メダルを貰うことが出来るというものです。一定距離ごとに設けられたPC(チェックポイントのこと、大抵はコンビニ)を制限時間内に回ればオッケーというスタンプラリー的なスポーツです。 距離は200㎞~となっていて、1年以内に200・300・400・600㎞を走ることが出来ればSR(シュペール・ランドヌール)、要するに「凄いロングライダー」の称号を得られます。そして、世界最古の自転車レース「パリ・ブレスト・パリ」いわゆるPBP1200㎞の開催年(4年に1度)には、その参加資格が得られます。
夜間も走り続ける為、反射ベストの着用が義務となっており、その姿はさながらNISS〇Nのゴー〇会長のようであるとかないとか。
制限時間といっても、補給・睡眠込みで平均時速15㎞で走れば間に合うように設定されているので、コースによって差はあれど、淡々と走り続けることが出来れば問題なくクリアできます。淡々と走り続けるのが難しいのですが...
私、実は2/24に四国200㎞に参戦してたので初ブルベという訳ではないのですが、2戦目にして600㎞ということや調子が上がっていないということでかなりビビっておりました。
まず結論から申し上げますと、無事完走しました。ということで、どこかの誰か(特に初めてブルベに挑戦する方)の参考になればいいなと思いつつ装備や走行時の出来事などまとめていきます。あくまでも600㎞に初めて挑戦してみた未熟者の戯言として読んでください 前提として私のいわゆる走力はそれほど高くないです。アタック力なんか致命的に無いので、レースで表彰台なんてとてもじゃないですが狙えるポジションにいません。持久力はそこそこある方だと思います。では、以下「ブルベ参加を決めるまで」、「装備」、「走行中の話」、に分けてお送りします。
ブルベ参加を決めるまで
実は高校時代からブルベに出るのがひそかな夢だったので、ブルベに参加するまでの心理的ハードルはかなり低かったです。高校時代は自転車&部活動(登山)をしており、当時300㎞ちょっと走ったことを部活動の時に話していたら、当時の顧問が600㎞を走ったことがあると聞いたことも大いに影響しています(笑)
ブルベを選ぶ上で問題となるのはコースプロフィールです。常識的に考えて、平坦なコースが楽ですが、山岳地帯も下りで休むという前提であればあえて選ぶのも悪くないと思います。それから特に初心者の場合はDNFしても輪行しやすいコースにしましょう。まじで。逆に言うと、いつでもDNFできる準備をしておけば初ブルベが600㎞でも大丈夫とも言えます。※特に理由が無い限り決して推奨しません。
走りやすいコースはすぐに参加枠が埋まることが多いので要注意です!
今回私が選んだオダックス近畿主催のBRM323高松600㎞は比較的難易度の低いコースプロフィールです。高知県の端っこまで行って帰ってくるルートで、260㎞・340㎞地点でちょうどいい市街地があるので少なくとも私と同じくらいのペースで走っていた人はホテルを利用する人が多かったようです。
参考までに、ルートラボのスクショにPCの位置を書き加えたものを貼っておきます。グラフの黒い縦線は30㎞ごと。単純計算で2時間ごとに通過すればオッケー

本当は600㎞に挑戦するのはもっと先と考えていましたが、参加しやすそうなブルベも少なく、天候なども予測不可能なため、DNF覚悟で春先のブルベに挑戦したわけです。
装備
装備品については、人によって差があると思います。走力に余裕があれば自由度が高くなります。(例えばママチャリでブルベを走るような人達の事を言います。)普通はどの程度の重さまで許容できるのかによります。 ここではあくまでも参考として私の装備を紹介します。ちなみに今回のブルベではドロップバッグやホテルへ荷物を送っておくというようなことはありませんでしたが、この辺を上手く使いこなせばかなり楽できるのではないでしょうか。
自転車:LOOK566+EURUS+POWER ENDURANCE、ギヤは50-36T×11-30T
ライト:フロント2灯(VOLT300+VOLT800,それぞれ予備バッテリーを1つづつ)、リア3灯(うち1灯は自動点灯。トンネル通過時に便利)、ヘルメットリア1灯
サイコン:Edge520,etrex20
モバイルバッテリー:5000mAh(ハンドルマウント)、12000mAh(トップチューブバッグ)
急速充電器(6ポート)
スマホ
予備電池
簡易工具
替えチューブ&パッチ&携帯式ポンプ
ボトル
薬類:風邪薬、正露丸、鎮痛薬、タプソール8(温熱効果がある。筋肉の疲労にかなり効く)、ワセリン、テーピング
輪行袋
着替え:短パン、下着、靴下、タオル、クロックス
反射ベスト
財布:今回は2万円程度。食費はバカにならない、カロリーは正義。
心拍計:バンド式のもの。あとでデータを見るのがメイン。なくてもいい。
キューシート:ブルベらしいものの一つ。ハンドルに付ける人もいる。私はキューシートは背中に入れてしまって、代わりに各PC間の距離及びクローズ時間を書いたシートを自作してトップチューブバッグに忍ばせておきました。あとは30㎞ごとに理想の時刻を計算してメモしていました。登り区間は時速10㎞で計算
ブルベカード&書類:言わずもがな
ヘルメット、アイウェア、グローブ、ウェア
走行中の話
愛媛大学のK君とほとんどの区間で一緒に走っていたのでかなり精神的にも走力的にも助けられました。一人だったらきっとどこかでDNFしていたことでしょう。
まさかの「のむラボホイール」です。実物を見るのは初めてです。個人的に手組をしているのでスポークにぎにぎせずにはいられませんでした。結線ってどうなんでしょうね(話が逸れた)
ちなみに彼はかなりのロングライダーです。
1日目
AM5:00 高松駅前

関西・四国を中心に70の猛者達、否、変態という名の紳士達が集まってきます。受付・ブリーフィングがあるのでかなり早くから大勢います。
ブリーフィングではキューシートの一部訂正と注意事項の説明がされました。出走は6:00です。
AM8:11 PC1ファミリーマート 50.2㎞

ここまではライダーが常に視界に見える感じでスムーズに進みました。ノンストップで来たのでおむすびとスイートポテトタルト、レーズンパンでカロリー補給&雑談
この後は10㎞程度の登りです。できるだけ心拍を上げないように軽いギヤを積極的に使います。登りが大嫌いなのでヒルクライムばかりしている人とはちょっと距離を置かせていただきたい。嘘です。たまにはいじめて下さい、たまには。
PM1:28 PC2ローソン 148.6㎞

PC間が長いので途中で補給を取りつつPC2に到着しました。ここはローソンなのか??なんだかおしゃれなお店。パンのコーナーが充実していたのでフィッシュバーガーを購入。イートインもあります。
この後はしばらく信号峠に突入し、200㎞付近では七子峠なる単調な上り坂が6㎞程。
PM6:04 PC3ファミリーマート 218.2㎞
さすがに200㎞を超えてくると内臓の疲れが出てきました。ということで蕎麦とプリンを補給。いよいよナイトライドに突入。
PM10:07 PC4ローソン 299.1㎞
高知県幡多郡大月町到着です。ここが折り返し地点。ここまで来たという達成感とまだ半分残っているという気持ちが入り混じるポイントです。PC4に近づくと復路のライダーもちらほらと。PC4近くの月光桜がフォトチェックですが、ライトアップがPM9:00までということで残念ながら暗闇の中で自転車を撮る現象が発生。ホテルまで走れるのが確実になってきたため、この頃になると翌日の事を考えながら走ってました。
距離が距離なので、気持ちの切り替えが一番大事ですね。次のPCまで、次のコンビニまで、次の右折・左折までという感じ。ソロの場合は特に、途中でなんで走ってるんだろうとか考えちゃいますからね。今回はK君のおかげで退屈しなかった。本当にありがたい。

PM12:00 サンリバー四万十 337㎞
四万十川の近くにあるホテル、観光の拠点という感じ。歩いてすぐの所にファミリーマートがあるので、そこでカップヌードル&プロテインを購入。ロングライドというととにかく糖分取っておけば良いと思われがちですが(少なくとも私はそうだった)、どんな形であれタンパク質を取ることでかなり回復に違いが出てくると実感。ホテルにチェックイン!!シングルで予約していたのにダブルベッドやないかい!ラッキー!コインランドリーで洗濯&乾燥。軽くシャワーを浴びてTVニュースを見て、バッテリーの充電をして、3:30に目覚ましをかけてと色々していたら1時過ぎ。2時間半ほど睡眠をとって、2日目に突入!寝る前は起きたら不調になっているだろうな、DNFだろうな、と考えてましたが、意外や意外、元気におはようございます!こうなったら最後まで走り切ってやる!口呼吸をし過ぎて筋肉痛やら関節痛よりも喉の痛みの方がよっぽどしんどかったです。
2日目
AM6:30 PC5ファミリーマート 382㎞
睡眠中にも時間が削られていくので、600㎞ブルベの中で最も焦るところですね。筋肉の疲労が少ないので、1時間の余裕を残してPC到着。ここでお好み焼きと禁断のファミチキを補給。
AM11:18 PC6ローソン 451㎞
ここで、非常事態1発生。といってもメカトラとかじゃありません、お尻です。守ってくれるはずのレーパンが突然拷問器具と化してしまった。路面の凹凸の度に擦れる苦痛。もっと早くワセリンを塗っておけばよかったと後悔しつつ、大幅にタイムロス。
PM5:39 PC7ファミリーマート 549.9㎞
PC6~PC7までは2つの峠があります。どちらも10㎞程度です。一つ目の峠は高知から徳島県三好市へのVルートでも登った根曳(ねびき)峠です。交通量がそこそこあるのでキープレフトでお尻をいたわりながらのクライムとなりました。
その後は緩い斜度の下りが次の峠の麓まで続きます。下りにも拘らず向かい風の為スピードが出ず。お尻が痛いのに踏んでしまった為、フォームが崩れたのか、あるいはレーパンの足首への締め付けがきつすぎたのか、色々と原因はあるのでしょうがアキレス腱を痛める非常事態2
それでもPC7のクローズは迫ってくるので、シューズを緩め、痛みの出にくい角度でなんとか観音寺までの峠をクリア。
PC7を1時間の余裕を持って到着したので、完走が見えてきましたが、両足共にアキレス腱の状態が一向に良くならず、ビンディングの脱着に痛みが伴うため、シューズに靴下をはかせて固定しない作戦に出ました。
が、それで頑張れたのは5,6㎞でした。シンプルに危険です。DNFという文字が頭をよぎる度に「排除します。」by小池知事
ここで、気温が下がりつつある中、穴の沢山開いたクロックスへの履き替え。また、それに伴うサドル高の変更。靴底が柔らかい為全くトルクがかからず、サドル高も結局合っていないため苦痛のラストスパートとなってしまいました。それでも走り続ければ時間内にゴール出来ることが分かっていたので、脳内小池知事に頑張って貰い、ひたすらに足を回します。完全に意地と見栄です。K君とはPC7でお別れをしていましたが、その後も前後にランドヌールがいたのが心の支えになりました。
PM9:16 セブンイレブン(ゴール) 600.3㎞
そして感動のゴーーーール!!!!
ここでサプライズが。クロワジエール元代表上村先輩とRaphaおじさんこと大坪君、しばらくすると偶然にも広島から電車で帰ってきたという三島君。受付でブルベカードを渡して、メダルを購入すると、走り切ったんだなーと実感。
お出迎えめちゃくちゃ嬉しかったです。寒い中長い間待って貰っていたようでありがとうございます。コーヒーとカロリーメイトもありがとうございます。
この後、家で滅茶苦茶寝ました。あと風邪ひきました...記事を書いている今まさに風邪と戦っています。
オダックス近畿さんの仕事が恐ろしく早いのでリザルトがすでに出ていたので確認したところ、どうやら9割方無事完走したようです。参加した皆様本当にお疲れさまでした。またどこかのブルベでお会いしましょう。

別件ですが、この日は須藤先輩の卒業式でもありました。今後の益々のご活躍を祈っています。

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